🎯 【GA4見方決定版】問い合わせ激増!中小企業サイトのアクセス分析「5つの重要指標」と改善事例

このブログ記事では、Googleアナリティクス 4(GA4)の基本的な見方から、中小企業のサイト改善に直結する重要な指標(データ)と具体的な活用方法を、データや数値の目安を交えて分かりやすく解説します。


Googleアナリティクスは、Googleが無料で提供するアクセス解析ツールです。あなたのウェブサイトを訪れたユーザーが「どこから来たのか」「サイト内で何をしたのか」「最終的に目標(コンバージョン)を達成したのか」を測定・分析できます。

2023年7月に従来の「ユニバーサルアナリティクス(UA)」から、新しい「GA4(Googleアナリティクス 4)」に移行しました。GA4は「イベント」「ユーザー」を中心に据えた計測モデルとなり、ウェブサイトとアプリを横断してユーザー行動を把握できるのが大きな特徴です。

GA4の左側メニューには、大きく分けて以下のレポートがあります。特に中小企業サイトの改善に役立つのは「レポート」内の項目です。

メニュー名概要
ホーム現在の状況を把握できるダッシュボード
レポート過去のデータやユーザー行動を分析する中心地
探索レポートでは見られない、より深いカスタム分析を行う機能
広告コンバージョンに至るまでの経路分析など、広告効果の測定
設定目標(コンバージョン)やオーディエンスの設定

GA4には多くの指標がありますが、中小企業が日々の成果とサイトの健康状態をチェックするために、必ず押さえるべきコアな指標は以下の5つです。

指標名 (日本語/英語)意味中小企業の目安(月間)
セッション数 (Sessions)ユーザーがサイトを訪問した回数(訪問数)1,000〜5,000以上
ユーザー数 (Users)サイトを訪問した人数の合計(重複除く)セッション数に近い値
エンゲージメント率 (Engagement rate)ユーザーがサイトに「ちゃんと関与した」割合50%以上
イベント数 (Event count)サイト内でのアクション(クリック、スクロールなど)の合計多ければ多いほど良い
コンバージョン数 (Conversions)サイトの目標(問い合わせ、購入など)の達成回数業種によるが1%以上を目指す

中小企業サイトのアクセス評価は、セッション数(訪問回数)またはユーザー数(訪問者数)で行います。

  • セッション数(訪問回数): 月間5,000セッション以上が、成果に繋がる期待値が高い水準です。
  • ユーザー数(訪問者数): サイトに興味があるユーザー数を示します。新規ユーザーの割合が高いか、リピーターが多いかでサイト戦略が変わります。

GA4で最も重要なのがアクセス(トラフィック)の質です。いくら訪問者が多くても、すぐにサイトから離脱していては意味がありません。

  • エンゲージメント率:
    • GA4で導入された滞在の「質」を示す指標です。以下のいずれかを満たすセッションを「エンゲージメントセッション」と呼びます。
      1. 10秒以上サイトに滞在したセッション
      2. コンバージョンイベントが発生したセッション
      3. 2ページ以上閲覧したセッション
    • 目安は50%以上です。この数値が低い(例:30%未満)場合は、サイトのコンテンツやデザインがユーザーの期待と合っていない可能性があります。
  • イベント数
    • ユーザーがサイト内で起こした全てのアクション(ページビュー、クリック、ファイルのダウンロードなど)の合計です。
    • 特に「scroll(スクロール)」イベントは、ページを90%までスクロールした回数を計測しており、コンテンツがしっかり読まれているかどうかの判断に役立ちます。
  • コンバージョン数(Conversions):
    • あらかじめ設定したサイトの目標達成回数です。(例:お問い合わせ完了、資料請求、商品購入など)
    • コンバージョン率(CVR)=(コンバージョン数÷セッション数)×100
    • 一般的に、ウェブサイトのCVRは1%〜3%が目安です。この数値が1%未満の場合は、ランディングページ(LP)やフォームの改善が必要です。

GA4では、以下の3つの主要なレポートを見ることで、サイト改善のヒントを得ることができます。

「レポート」>「集客」>「トラフィック獲得」で確認できます。このレポートは、どの集客チャネル(流入経路)が優秀かを判断するために使います。

チャネル (Channel)意味改善アクション
Organic Search (自然検索)GoogleやYahoo!からの検索流入この数値が低い → SEO(検索エンジン最適化)対策、ブログ記事の拡充
Direct (直接流入)ブックマークやURL直接入力サイトの知名度、ブランド力
Referral (参照元)他のウェブサイトからのリンク流入提携サイト、プレスリリースの掲載強化
Paid Search (有料検索)Google広告などの検索連動型広告広告のキーワードやターゲティングの見直し
Organic Social (ソーシャル)X (Twitter)、Instagram、Facebookなどからの流入SNS投稿内容やリンク先の見直し
  1. 最もCVが多いチャネルは?
    • 「トラフィック獲得」レポートの表を「コンバージョン数」で並び替え、最も成果を上げているチャネルを特定します。そのチャネルへの投資や改善を優先しましょう。
  2. CVは少ないが、エンゲージメント率が高いチャネルは?
    • エンゲージメント率が高いチャネルは、質の高い見込み客を送っている可能性が高いです。そのチャネルからの流入を増やす施策(例:SNS広告の強化、良質な被リンク獲得など)を検討します。

「レポート」>「エンゲージメント」>「ページとスクリーン」で確認できます。このレポートは、どのページがユーザーに最も読まれているか(評価されているか)を知るために使います。

指標意味改善アクション
表示回数 (Views)ページが閲覧された回数表示回数の少ないページは、サイトマップやメニューの配置を見直す
平均エンゲージメント時間 (Avg. engagement time)ページ滞在時間の平均滞在時間が短い → コンテンツの構成、図解、見出しの改善
イベント数 (Scroll)90%までスクロールされた回数スクロール率が低いページは、導入文やファーストビューで惹きつけられているか確認する
  1. 「お問い合せフォーム」や「購入完了」ページへの遷移率は適切か?
    • 商品・サービス紹介ページから、コンバージョンページへの遷移率が低い場合、CTA(Call to Action:行動喚起)ボタンの配置やデザイン、文言を改善しましょう。
  2. 離脱が多いページはないか?
    • GA4のレポートには「離脱率」の項目はデフォルトではありませんが、平均エンゲージメント時間が極端に短いページは、ユーザーが求めている情報がないと判断して離脱している可能性が高いです。そのページの情報を追記・修正します。

「レポート」>「エンゲージメント」>「コンバージョン」で確認できます。これは事業の成果に直結する最も重要なレポートです。

指標意味改善アクション
コンバージョンイベント設定した目標(例:generate_leadpurchaseCV数が多いイベント → その経路をさらに強化。CVが少ないイベント → ページの導線改善。
合計収益Eコマースサイトなどで実際に発生した売上額高い収益を上げている商品・サービスを特定し、広告や特集などで露出を増やす。
  1. 設定した目標イベントが正しく計測されているか?
    • まず、お問い合わせ完了ページの表示やボタンクリックなどが、コンバージョンイベントとして正確にカウントされているかを確認します。
  2. CVRの高いページはどれか?
    • 「ページとスクリーン」レポートで、コンバージョンイベントが発生しているページを特定し、そのページの構造やコンテンツを他のページの模範として活用します。

GA4のデータは、ただ眺めるだけでなく、具体的なサイト改善の施策に落とし込むことが重要です。

現状のデータサイト改善のヒント施策の例
Organic Searchセッション数が低い(全体の20%未満検索エンジンからの流入が足りていない。潜在顧客にリーチできていない。ブログ記事を月4本以上作成。ターゲット顧客が検索するキーワードを選定し、その疑問に答える質の高い記事を増やします。
ブログ記事の平均エンゲージメント時間30秒未満記事が読まれていない。内容が薄いか、構成が分かりにくい。記事の冒頭に見出しと要約を入れ、ユーザーの離脱を防ぐ。図解や箇条書きを増やして読みやすくする。
現状のデータサイト改善のヒント施策の例
CVR0.8%未満訪問者の関心は引けているが、申し込みへの後押しが足りていない。お問い合わせボタン(CTA)の色、位置、文言を変更する(例:「資料請求」から「無料相談はこちら」へ)。スマホでのフォーム入力のしやすさを改善する。
特定のサービスページのエンゲージメント率は高いが、CV数が低いユーザーは興味を持っているが、最終的な一押し(信頼性)が不足。サービスページにお客様の声導入事例会社の信頼性を高める実績などを追記する。
現状のデータサイト改善のヒント施策の例
ユーザー」>「テクノロジー」レポートでモバイル比率が70%ほとんどのユーザーはスマートフォンからアクセスしている。モバイルファーストでサイトの表示速度、デザイン、フォームの入力しやすさを最適化する。
ユーザー」>「ユーザー属性」で特定の地域からのアクセスが多い地域密着型ビジネスとして、その地域での集客を強化すべき。Googleビジネスプロフィールとの連携を強化。地域名を入れたキーワードで記事やページを作成する。

中小企業でGA4を最大限に活用するには、継続的なPDCAサイクルが必要です。

  1. Plan(計画):
    • 目標設定: 「問い合わせ数を前月比10%増やす」など、具体的な数値目標を設定します。
    • 仮説立て: 「自然検索のエンゲージメント率が低いから、記事の質を改善すれば問い合わせが増えるはず」といった仮説を立てます。
  2. Do(実行):
    • 仮説に基づき、サイトの改善施策を実行します。(例:ブログ記事のリライト、CTAボタンの文言変更など)
  3. Check(評価):
    • GA4のレポートを開き、施策実行後、セッション数、エンゲージメント率、コンバージョン数などの指標がどう変化したかをチェックします。
  4. Action(改善):
    • 「問い合わせ数が増えた」→ 成功した施策を他のページにも展開します。
    • 「問い合わせ数が増えなかった」→ 施策が失敗とみなし、別の仮説を立て直して次のPDCAサイクルへ移行します。

このサイクルを最低でも月に一度行うことで、あなたのサイトはデータに基づいた最適な改善が繰り返され、安定的に成果を上げられるようになります。


Googleアナリティクス 4(GA4)は、中小企業にとって、限られた経営資源をどこに集中すべきかを教えてくれる羅針盤です。

  • まずは「セッション数」「エンゲージメント率」「コンバージョン数」の3つを定期的にチェックしましょう。
  • アクセスだけでなく、エンゲージメント率やCVRといったアクセスに着目しましょう。
  • 「集客」「エンゲージメント」「コンバージョン」の3つのレポートから得られたデータに基づき、具体的な改善アクションを実行に移しましょう。

データ分析を特別なものと捉えず、日々の業務に組み込むことで、あなたのウェブサイトは必ず成果を出し始めます。

株式会社イーネクスト:千葉県のホームページ制作会社

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