はじめに:竜馬が見た「黒船」と、現代の事業主が見る「ウェブサイト(ホームページ)」
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私たちは、ホームページを「制作」する会社として、数多くの中小企業様の成功と停滞を見てきました。
中小企業庁が発表した「小規模企業白書2023」などの最新データを見ると、ホームページを持つ企業の約60%が「新規顧客獲得に効果があった」と回答しています。また、ホームページ経由の問い合わせ件数は、持たない企業と比べて2倍以上にのぼるという明確な差が出ています。
この差はどこから生まれるのでしょうか?それは、「目的」を定め、「戦略」をもって運用しているか、その一点に尽きます。
本記事では、「ホームページを作っても成果が出ない」と悩む貴社のために、もし竜馬が現代でホームページを作るとしたら、どのような戦略を立てるのか、その行動から中小企業が本当に成果を上げるための「現代の海援隊の心得」を、具体的なデータとともにお伝えします。貴社の事業を、このウェブの大海原で航海させるための羅針盤として、ぜひ最後までお読みください。
⚓第1章:竜馬が定義するホームページの「船」としての役割(戦略策定)
竜馬が船を持つことを決意したのは、漠然と海を渡りたかったからではありません。薩摩藩や長州藩との商取引、そして新しい国造りのための物資運搬という明確な目的と戦略がありました。現代のホームページも全く同じです。
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1-1. 目的のない船はただ漂うだけ:「名刺代わり」からの脱却
「うちは名刺代わりにホームページを持っているだけだから…」という言葉をよく聞きます。これは、竜馬が船室で座って、風任せに海を漂っているのと同じです。
ホームページを「成果を出す武器」に変えるには、まず「コンバージョン(CV)ポイント)」、すなわち貴社にとっての“最終目的地”を明確に定義しなければなりません。
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| 曖昧な目的(置き物) | 具体的な目的(武器) |
| 会社の紹介 | 新規顧客からの問い合わせを月間5件増やす |
| 事業内容の羅列 | 人材採用で専門職の応募を年間10件獲得する |
| とりあえずブログを書く | 特定サービスの見込み客に資料をダウンロードさせる |
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目的が「問い合わせを増やす」であれば、問い合わせフォームへの導線を太くします。「採用を強化する」であれば、企業文化や働くメリットを伝えるコンテンツを充実させます。目的が曖昧なままでは、船(ホームページ)はどこにもたどり着けません。
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1-2. 「誰」を乗せるのか?:ターゲット顧客の明確化
竜馬の海援隊は、全国の志ある者、そして商いに必要な物資を運ぶ特定の人々をターゲットにしていました。すべての人を相手にしていたわけではありません。中小企業がウェブで大手に勝つには、ターゲットの絞り込みが不可欠です。
- 誰の(Who): ターゲットとなる顧客の業種、地域、抱える課題。
- 何を(What): 彼らが最も求めている情報、解決したい悩み。
- なぜ(Why): 競合ではなく、貴社を選ぶべき理由(強み)。
ターゲットが明確になれば、ホームページのデザイン、言葉遣い、掲載すべき情報の全てが変わります。ウェブは広大ですが、本当に刺さる情報は、特定の人に向けて発信されたものです。
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1-3. 「何」を運ぶのか?:自社の強み=コンテンツの棚卸し
ホームページのコンテンツは、竜馬が運んだ「商材」であり「情報」です。貴社の強みや専門性といった「価値」をコンテンツとして明確に提示しなければ、ウェブ上で埋もれてしまいます。
特に中小企業は、大手企業には真似できない「顔が見える安心感」が最大の武器です。企業の理念や人柄を惜しみなく発信することで、信頼感がアップし、それが問い合わせや成約につながります。
⚓第2章:現代の「黒船」に打ち勝つための三つの砲台(運用と集客)

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船の役割と目的地が決まれば、次は航海術、すなわち具体的な集客施策です。ホームページを「船」として機能させるには、集客のための「砲台」を正しく設置し、稼働させ続けなければなりません。
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2-1. 砲台一:SEOとコンテンツマーケティング(見込み客の獲得)
ホームページで成果が出ていない企業の多くは、「待っている」状態です。竜馬は待たずに自ら船を漕ぎ出しました。ウェブ上で自ら顧客を探しにいく行為こそが、SEO(検索エンジン最適化)とコンテンツマーケティングです。
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データが示すSEOの力:
- インターネットユーザーの約80%が、商品やサービス購入前に検索エンジンを利用しています。
- 特定のキーワードで検索結果の1位に表示された場合、そのページがクリックされる確率は約30%にも達します(データは変動しますが、上位表示の重要性は不変)。
広告(ペイドメディア)は即効性がありますが、費用がかかり続けます。一方、SEO(オウンドメディア)は、時間と労力はかかりますが、検索上位に表示されれば、広告費をかけずに24時間、継続的に見込み客を獲得できる「資産」となります。
実践のポイント: 貴社のサービス名ではなく、「(地域名)+(業種)」「(悩み)+(解決策)」といった、顧客が検索するであろう言葉で記事を作成し、専門的な情報を継続的に発信することが重要です。
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2-2. 砲台二:モバイル最適化とユーザビリティ(機会損失の防止)
現代のウェブ大海原を航海する船の乗組員(ユーザー)の多くは、スマートフォンに乗っています。
無視できないモバイルの現実:
- Webサイトへのアクセスの70%以上がモバイル端末からです。
- Webサイトの表示速度が1秒遅くなるごとに、コンバージョン率が平均7%低下するというデータもあります(WebサイトのROIに関する調査より)。
スマートフォンで「見にくい」「操作しにくい」「表示が遅い」と感じられた瞬間、顧客はすぐに離脱します。これは、船が岩礁に乗り上げ、せっかくの顧客を逃していることと同じです。貴社のホームページが、スマートフォンでもストレスなく、スムーズに情報にたどり着ける設計(レスポンシブデザイン)になっているか、今すぐ確認してください。
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2-3. 砲台三:問い合わせ導線の徹底強化(コンバージョン率の改善)
いくら集客して見込み客をホームページに呼び込んでも、最終的な行動(コンバージョン)につながらなければ意味がありません。問い合わせフォームは、貴社と顧客をつなぐ「契約の入り口」です。
成果を上げる導線の工夫:
- 目立つCTAボタン: 問い合わせ、資料請求などのCTAボタンは、全ページの上部・下部、そして記事の中盤など複数箇所に固定・追従させる。
- フォームの最適化(EFO): 入力項目をできるだけ減らす(データによると、入力項目を減らすことで離脱率が50%削減した事例もあります)。エラーメッセージを親切にする。
⚓第3章:成功事例から学ぶ「現代の海援隊」の戦い方
戦略が定まったところで、実際に成果を出している中小企業がどのように「船」を操縦しているのか、具体的な事例を見てみましょう。
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3-1. 地域密着型サービス業(カフェ)の売上3倍事例
ある地方のカフェが、ホームページを単なるメニュー表から「予約・集客ツール」に変革しました。
- 導入ポイント: スマホからの即時予約導線の設置、ブログで地域イベントや季節の限定メニュー情報を定期的に発信。
- 成果: 月間予約数が2倍に増加。特にスマホからの流入が増え、結果として売上が3倍に向上しました。
- 教訓: 地域密着型ビジネスでは、スマホ対応と予約/問い合わせの「手軽さ」が命です。顧客に「今すぐ」行動させる導線を最優先しました。
3-2. BtoB製造業の採用コスト削減事例
人手不足に悩むBtoBの中小企業が、自社ホームページを採用の核として位置づけました。
- 導入ポイント: 採用ページに「社員のインタビュー動画」「製造現場のリアルな写真」「社長の技術への想い」を掲載。給与などの情報だけでなく、「働く理由」に訴えかけるコンテンツを充実。
- 成果: 従来の採用媒体への掲載費を年間300万円削減。応募者数は変わらないものの、企業理念に共感する応募者が増え、採用後の定着率が大幅に向上しました。
- 教訓: 求職者は応募前に必ずホームページで会社の「顔」を確認します。採用活動におけるホームページの役割は、「信用証明書」です。

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⚓第4章:海援隊の収支計算:「投資対効果(ROI)」という羅針盤
竜馬の海援隊は、営利団体であり、常に商売の「収支」を計算していました。ホームページも同様に、曖昧な効果ではなく、数値に基づいた「投資対効果(ROI)」で評価しなければ、継続的な改善はできません。
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4-1. ホームページは経費ではない、戦略的「投資」である
「制作費が高かった」という不満は、ホームページを「使って終わり」の経費として見ているからです。本当に成果を出す事業主は、これを「未来の利益を生むための戦略的な投資」と捉えます。
ROI(Return on Investment:投資利益率)は、投資したコストに対してどれだけの利益を生み出したかを示す指標です。
ROI =(獲得利益 – 投資コスト)÷ 投資コスト × 100(%)
ウェブサイトのROIを算出し、投資が利益を生んでいるかを常に監視してください。もしROIが低い(例えば100%未満)なら、それは投資方法、つまりウェブの戦略に問題があるということです。
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4-2. 測定と改善:竜馬の船旅に終わりがないように
ROIを把握するためには、船の現在地を知る羅針盤が必要です。それが、Google Analyticsなどのアクセス解析ツールです。
成果が出ていない事業主は、一度ホームページを公開したら、次の更新までデータを全く見ない傾向にあります。
成果を出す事業主のサイクル:
- 測定: どのページが多く見られ、どのページで離脱が多いか? 問い合わせに至るまでの経路は?(データを見る)
- 分析: なぜそのページで離脱が多いのか?(原因を考える)
- 改善: 離脱が多いページに「お客様の声」を追記したり、CTAボタンの色を変えたりする。(仮説に基づく施策を実行)
この「測定→分析→改善」のサイクルを継続的に繰り返すことこそ、竜馬が荒波を乗り越えて目的地にたどり着いたように、ウェブでの成功の鍵となります。ウェブの世界は常に変化しており、一度の制作で完成することはありません。
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4-3. 投資を賢く行うためのヒント:「補助金」の活用
限られた予算の中でホームページを制作・改善することは、中小企業にとって大きな課題です。ここで竜馬の「商いの知恵」を活かしましょう。
現代には、ホームページ制作やシステム導入の費用を補助してくれる公的な制度が用意されています。代表的なものに「小規模事業者持続化補助金」があります。これは、販路開拓や生産性向上のための取り組み(例:ホームページ制作・リニューアル、ウェブ広告費など)に対し、費用の一部を補助してくれる制度です。
制度を賢く活用することは、ROIの計算式において**「投資コスト」を圧縮する**ことと同義です。制作会社に相談する際には、これらの補助金の活用可能性についても積極的に尋ね、戦略的な投資を実現してください。

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⚓まとめ:志を抱け!現代のウェブ大海原を乗りこなせ
坂本竜馬は、日本という国を新しい時代へと導くという「志」を持っていました。
貴社のホームページも、単なる「会社紹介」ではなく、「貴社が社会に提供する価値を広げ、顧客の悩みを解決する」という志を体現するものでなければなりません。
ホームページを活用して成果をあげていない事業主様。それは、船を出す「目的」が曖昧で、「航海術(運用戦略)」が不足しているだけかもしれません。
現代のウェブ大海原は広大で、チャンスに満ちています。今こそ、本記事で示した「戦略策定」「集客の砲台」「ROI分析」の心得を羅針盤とし、ホームページを貴社の「現代の海援隊」として蘇らせ、目標とする利益という名の目的地へと船を漕ぎ出そうぜよ!
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株式会社イーネクスト:千葉県のホームページ制作会社
『私たちはお客様とともに未来を創造し、成長できる存在でありたい。』
千葉県市川市を拠点に、ウェブサイト(ホームページ)制作・SEO対策・MEO・WEBマーケティングを通じて「ウェブサイトにしっかり働いてもらう」支援を行っています。
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